疾患一覧 Disease list

主な部位別がん死亡数(2020年)のグラフ

肺がん

日本における悪性腫瘍による死亡の第1位は肺がんであり、2020年の肺がん年間死亡数は 75,585人でした。肺がんを早期に発見する方法の一つにCTによる肺がん検診の有用性が報告されています。単純 X 線検診と比較して、CT 検診による肺がん発見率は約 10 倍程度高いとされます。CT検査は肺を輪切りに描出し、単純X線写真では観察困難な心臓、大動脈や横隔膜の裏側まで死角なく描出されます。通常のCT検査では放射線被曝が多く、そのまま検診に用いることには問題があります。そこで、放射線の量を通常の10分の1程度に少なくした低線量CTで検診を行います。当院のCT検診は16列のマルチスライスCTとコンピュータ-処理技術を用いて、被曝量はさらに軽減されています。検査自体はCT装置の寝台に寝ていただいた後、わずか数秒~十数秒の息止めで検査は終了します。

以下のような症状の人はCTによる肺検査をお勧めします。

  • 風邪は治っているが、咳が長く続く人
  • 長年に渡り、喫煙を続けている人
  • 痰に血が混ざる人
  • 声のかすれが治らない人

COPD

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と呼ばれ、日本には500万人以上のCOPD患者さんがいると推定されています。COPDは別名「タバコ病」とも呼ばれ、原因の90%以上が喫煙とされます。タバコの煙などの有害な空気を吸うことによって空気の通り道である気管支に炎症が起こり、酸素と二酸化炭素の交換を行う肺が破壊されます。COPDが進行すると少し動いただけでも息切れが生じ、日常生活もままならなくなります。

またCOPDは症状の現れ方がゆっくりしているため、早期発見が難しい病気です。
当院では電子スパイロメータ-やCTによる肺気腫診断を行っております。CTでは撮影した断層写真を解析ソフトで3次元処理を行います。また点数付けを行って軽症・中等症・重症に分類し、肺気腫の程度を視覚的・定量的に判断できます。

40歳以上で喫煙経験があるひとは注意が必要です。
「せき」、「痰」が出る、「息切れ」がするなどの症状がある場合は、軽く考えずに一度ご相談下さい。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病と密接な関係があり、様々な合併症を高率に引き起こすことが報告されています。この検査は寝る前に指と手首に小さなセンサーを装着していただき、その結果をコンピューターで解析します。睡眠中の無呼吸や身体の酸素不足の程度を検査できます。

胃がん

日本における悪性腫瘍による死亡の第3位は胃がんであり、2020年の胃がん年間死亡数は 42,319人でした。胃がんの発生については、いくつかのリスク要因が指摘されています。喫煙や多量の塩分などの生活習慣や、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染などがリスク要因とされます。胃がんは、他の多くの癌と同様に、早期では症状が出ることは少なく、また進行しても無症状の場合があります。病気の症状としては、胃のもたれや痛み、胸焼け、吐き気、食欲不振などがありますが、これらは胃がん特有の症状ではなく、他の病気(胃炎や食道炎,潰瘍など)でも起こります。症状だけでは確定診断することは困難で、内視鏡などの検査をしなければわかりません。また「症状がないから大丈夫」ではなく、ヘリコバクターピロリが陽性であった人や検診で要精査となった方も、内視鏡検査を受けることが重要です。胃がんも早期のうちに治療できれば内視鏡治療や手術で根治(治癒)を期待できますので、定期的に検査をすることが勧められます。

以下のような症状の人は内視鏡による検査をお勧めします。

  • 胃の痛み,不快感,胸やけなどが続くひと
  • 検診などでヘリコバクターピロリ菌を指摘されたひと
  • 便が黒っぽいひと
  • 貧血があるひと

大腸がん

日本における悪性腫瘍による死亡の第2位は大腸がんであり、2020年の大腸がん年間死亡数は51,788人でした。大腸がんにかかる人は40歳から年を重ねるにつれて増えていることがわかっています。また親族に大腸がんを持つ人や、肥満などが大腸がんのリスクとされています。
大腸がんは早期であればほぼ100%近く治すことができますが、一般的には早期の段階では症状を自覚することはありません。従って、無症状の時期に発見することが重要となり、40歳以上の人は定期的に検診を受けることが勧められます。大腸がんのスクリーニング(検診)の代表的なものは、便の免疫学的潜血反応で、地域や職場でも行われています。
便潜血が陽性でも必ずしも病気があるというわけではありませんが、検診で陽性となった人や下記のような症状がある人は内視鏡などの精密検査を受けることが勧められます。

  • 血便がでる
  • 便が細い
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 便が残っている感じがする
  • お腹の痛みや張っている感じがする

膵臓がん

日本における悪性腫瘍による死亡の第4位は膵臓癌で、 2020年の年間死亡数は37,677人でした。
膵臓がんは高齢の男性に多く発生します。膵臓はお腹の奥(胃の裏側)にあるため、がん発生しても症状が出にくく、早期の発見は極めて難しいがんです。 進行してくると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸(体が黄色くなる)や腰や背中の痛みなどが起こります 。

以下のような人は画像検査(超音波、CT、MRI など)を受けることが勧められます。

  • 家族、親族に膵臓がんの人が複数いる。
  • 慢性膵炎の人
  • 初めて糖尿病を指摘された人、また糖尿病が急激に悪化した人
  • 原因不明の腰痛や背部痛がある人
  • 白色調の便が出る人
  • 膵臓にのう胞がある人や膵菅が拡張している人

肝臓がん

日本における悪性腫瘍による死亡の第5位は肝臓癌で2020年の年間死亡数は24,839人でした。
肝臓はお腹の中で一番大きな臓器です。「沈黙の臓器」と呼ばれ、がんなど病気があっても初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な健康診断やほかの病気の検査時に、異常を指摘されることもあります。
肝細胞がんの発生には、肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が影響しているとされています。肝炎ウィルスは治療の進歩により、患者数は減少していますが、高血圧、糖尿病、肥満といった 生活習慣病を持つ人に合併する NAFLD (非アルコール性脂肪性肝疾患)が増加しています。 NAFLDによる脂肪肝が進行し、肝硬変や肝がんとなる人もいます。

以下のような人は血液検査や画像検査(超音波、CT、MRIなど)を受けることが勧められます。

  • B型肝炎、C型肝炎といったウィルス性肝炎の人、または家族にB型肝炎、C型肝炎がいる人
  • 脂肪肝の人
  • 健康診断で肝臓の数値が悪かった人
  • お酒の量が多い人(アルコール性肝炎)
  • お腹が張る、倦怠感が持続するなどの自覚症状がある人